本ページでは、FreeBSD 13.0-RELEASE のインストール手順を説明します。
FreeBSD は、i386 や amd64 などの CPU が搭載されている Windows マシンにインストールすることができますが、その場合現在インストールされている Windows を上書きしてしまうので、Windows は使用できなくなってしまいます。このため、本ページでは現在使用中の Windows や Mac で ORACLE が提供するフリーソフトウェア Oracle VM VirtualBox を使用し、この VirtualBox に FreeBSD をインストールすることを想定しています。 ただし、本ページでは VirtualBox のインストールに関しては扱いませんので、VirtualBox のインストールや起動方法に関しては、ORACLE 社のサイトなどを参照してください。
https://www.freebsd.org/ のデーモン君のイラストの右側の Download FreeBSD のリンクをクリックするか、https://www.freebsd.org/where.html このページから ISO イメージを取得します。
インストールするマシンの CPU に合わせて、Installer Images の amd64, i386 などのリンクをクリックしてください。
File Name | File Size | Date |
---|---|---|
Parent directory/ | ||
CHECKSUM.SHA256-FreeBSD-13.0-RELEASE-amd64 | 1171 | |
CHECKSUM.SHA512-FreeBSD-13.0-RELEASE-amd64 | 1811 | |
FreeBSD-13.0-RELEASE-amd64-bootonly.iso | 363548672 | |
FreeBSD-13.0-RELEASE-amd64-bootonly.iso.xz | 82215168 | |
FreeBSD-13.0-RELEASE-amd64-disc1.iso | 971974656 | |
FreeBSD-13.0-RELEASE-amd64-disc1.iso.xz | 690484376 | |
FreeBSD-13.0-RELEASE-amd64-dvd1.iso | 4784017408 | |
FreeBSD-13.0-RELEASE-amd64-dvd1.iso.xz | 3610762192 | |
FreeBSD-13.0-RELEASE-amd64-memstick.img | 1090900480 | |
FreeBSD-13.0-RELEASE-amd64-memstick.img.xz | 693815880 | |
FreeBSD-13.0-RELEASE-amd64-mini-memstick.img | 433771008 | |
FreeBSD-13.0-RELEASE-amd64-mini-memstick.img.xz | 85674144 |
ファイルの拡張子が .iso となっているものが、インストール用の ISO イメージです。
拡張子 .xz がついているファイルは、同名の .xz が付いていないファイルを xz という形式で圧縮されたものです。
ここでは、FreeBSD-13.0-RELEASE-amd64-bootonly.iso を取得するものとします。
ISO イメージを取得したならば、その ISO イメージが壊れていないことを確認するため に、チェックサムを確認することをお勧めします。
上記のダウンロードサイトに置かれている以下のファイルは、各ファイルのチェ ックサムを記述したファイルです。
Windows でチェックサムを確認するには、コマンドプロンプトあるいは PowerShell で CetlUtil コマンドを使用します。
C:\Users\taro\Downloads>CertUtil -hashfile FreeBSD-13.0-RELEASE-amd64-bootonly.iso SHA512
SHA512 ハッシュ (対象 FreeBSD-13.0-RELEASE-amd64-bootonly.iso): 4bb54bbe258a7369cf6255c2324c26eeb302a2c294bbef647564a30d3e426ab4738d97786c71b4e12dd23e6b888e847526121daaa3b5c54145e861d2ea86e88a CertUtil: -hashfile コマンドは正常に完了しました。
C:\Users\taro\Downloads> ``` CertUtil コマンドなどで計算した ISO イメージファイルのチャックサムと CHECKSUM.*-FreeBSD-13.0-RELEASE-amd64 に記述されているそのファイルのチェックサムが食い違う場合には、どちらかのファイルが正しくダウンロードされていない可能性があるので、再度ダウンロードしてください。
VirtualBox などの仮想マシンを使わずに Windows を上書きしてしまう場合には、取得した ISO イメージを CD-R などに焼いてください。
VirtualBox を起動し「新規」ボタンを押してください。
「名前とオペレーティングシステム」というウィンドウが表示されるので、以下の項目を入力あるいは選択してください。
項目 | 入力あるいは選択内容 | 補足 |
---|---|---|
名前 | 仮想マシンの名称を入力してください。 | 例えば「FreeBSD 13.0」など好きな名称を入力してください。 |
タイプ | BSD を選択してください。 | |
バージョン | ダウンロードした ISO イメージに合わせて、FreeBSD (32-bit) あるいは FreeBSD (64-bit) を選択してください。 | i386 の場合には 32-bit を、amd64 の場合には 64-bit を選択してください。 |
入力を終えたら、「続き」ボタンを押してください。
「メモリーサイズ」というウィンドウが表示されるので、メモリーサイズを指定します。
入力を終えたら、「続き」ボタンを押してください。
「ハードディスク」というウィンドウが表示されるますが、ここはデフォルトの設定「仮想ハードディスクを作成する」のまま「作成」ボタンを押してください。
「ハードディスクのファイルタイプ」というウィンドウが表示されますが、ここはデフォルトの設定「VDI (VirtualBox Disk Image)」のまま「続き」ボタンを押してください。
「物理ハードディスクにあるストレージ」というウィンドウが表示されますが、ここはデフォルトの設定「可変サイズ」のまま「続き」ボタンを押してください。
「ファイルの場所とサイズ」というウィンドウが表示されるので、仮想マシンに割り当てるハードディスクの大きさを指定します。
入力を終えたら、「作成」ボタンを押してください。
以上で仮想マシンの作成は終了です。
VirtualBox の「設定」ボタンを押すと「仮想マシンの名称 - 設定」というウィンドウが表示されるので、以下の設定を行います。
VirtualBox の「設定」ボタンを押すと「仮想マシンの名称 - 設定」というウィンドウが表示されるので、以下の操作を行い仮想マシンを起動する際の起動デバイスを変更します。
VirtualBox の「起動」ボタンを押してください。
新しいウィンドウ (以下、コンソールと呼びます) が表示され、FreeBSD のインストーラーが起動します。
注:コンソールで操作を行う際には、マウスカーソルをコンソール内に移動してクリックしてください。これでコンソールでの操作が可能になりますが、この状態でマウスカーソルを移動しても Windows や Mac の他のアプリケーションにマウスカーソルが移動しません。この場合には以下の操作を行ってください (これはコンソールをクリックした時に注意事項が表示されます)。
以下の画面は、コンソールをクリックした時の表示です。「Capture」ボタンを押すとコンソールでの操作が可能になります。
「Keymap Selection」というウィンドウが表示されるので、上下の矢印キーでカーソルを移動し、使用しているキーボード (Japanese 106 など) の行に移動し Enter キーを押します。
「Set hostname」というウィンドウが表示されるので、この FreeBSD マシンに設定するホスト名を入力し、Enter キーを押してください。
「Distribution Select」というウィンドウが表示されるので、インストールしたい component を選択します。
必要な component の選択が完了したら、Enter キーを押してください。
「Network Installation」というウィンドウが表示されるので、デフォルトの「OK」のまま Enter キーを押してください。 * インストールメディアによっては、このウィンドウが表示されず次のウィンドウが表示されることもあります。その場合、このウィンドウは「root パスワードの入力」の次に表示されます。
「Network Configuration」というウィンドウが表示されるので、デフォルトの「OK」のまま Enter キーを押してください。
「Network Configuration」というウィンドウに「Would you like to configure IPv4 for this interface?」と表示されるので、デフォルトの「Yes」のまま Enter キーを押してください。
「Network Configuration」というウィンドウに「Would you like to use DHCP to configure this interface?」と表示されるので、デフォルトの「Yes」のまま Enter キーを押してください。
「Network Configuration」というウィンドウに「Would you like to configure IPv6 for this interface?」と表示されるので、IPv6 が使用可能な環境であればデフォルトの「Yes」のまま Enter キーを押してください。IPv6 が使用できない環境であれば、右矢印キーを押して「NO」を選択してから Enter キーを押してください。
直前のウィンドウの IPv6 の設定で「Yes」を選択した場合、「Network Configuration」というウィンドウに「Would you like to try stateless address autoconfiguration (SLAAC)?」と表示されるので、デフォルトの「Yes」のまま Enter キーを押してください。
「Network Configuration」というウィンドウに「Resolver Configuration」と表示されるので、表示されている内容に問題がなければ TAB キーを押して「Yes」を選択し Enter キーを押してください。
「Mirror Selection」ウィンドウが表示されるので、デフォルトの「ftp://ftp.freebsd.org Main Site」のまま Enter キーを押してください。
「Partitioning」というウィンドウが表示されるので、ZFS でよければデフォルトの「Auto (ZFS)」のまま Enter キーを押してください。
「ZFS Configuration」というウィンドウが表示されるので、デフォルトの「Install」のまま Enter キーを押してください。
「ZFS Configuration」というウィンドウが表示されるので、デフォルトの「stripe」のまま Enter キーを押してください。
「ZFS Configuration」というウィンドウが表示されるので、インストール先の HDD を選択してスペースキーを押してください。
HDD の選択が正しければ、「OK」のまま Enter キーを押してください。
「ZFS Configuration」というウィンドウが表示され、インストール先の HDD が表示されます。HDD の選択が正しければ左矢印キーを押して「YES」を選択し Enter キーを押してください。
「Partitioning」というウィンドウで「UFS」を選択した場合の操作手順を説明します。
「Partition」というウィンドウが表示されるので、デフォルトの「Entire Disk」のまま Enter キーを押してください。
「Partition Scheme」というウィンドウが表示されるので、デフォルトの「MBR」のまま Enter キーを押してください。
「Partition Editor」というウィンドウが表示されるので、デフォルトの設定を変更せずに「Finish」が選択されている状態で Enter キーを押してください。
「Confirmation」というウィンドウが表示されるので、デフォルトの「Commit」のまま Enter キーを押してください。
全ての component のインストールが終了すると、以下のように root のパスワード入力を促す画面が表示されるので、ここで root のパスワードおよび Enter キーを入力します。
パスワードを入力すると、確認のためもう一度パスワードの入力を要求されるので、同じパスワードと Enter キーを入力します。
一回目に入力したパスワードと二回めに入力したパスワードが一致しない場合には、再びパスワードの入力を促す表示がされるので、パスワードを入力し直してください。
「Time Zone Selector」ウィンドウが表示されるので、「UTC」を選択し Enter キーを押してください。
使用中の Windos/Mac の時刻の設定が日本時間になっている場合には、「UTC」を選択し Enter キーを押したのちに次の「System Hardening」ウィンドウに進んでください。 Windows/Mac の時刻が UTC の場合には、上下矢印キーで「5 Asia」を選択し Enter キーを押してください。
「Countries in Asia」ウィンドウが表示されるので、上下矢印キーで「18 Japan」を選択し Enter キーを押してください。
「Cofirmation」ウインドウが表示されるので、デフォルトの「Yes」のまま Enter キーを押してください。
「Time & Date」ウィンドウが表示されるので、デフォルトの「Skip」のまま Enter キーを押してください。
「Time & Date」ウィンドウが表示されるので、デフォルトの「Skip」のまま Enter キーを押してください。
「System Configuration」ウインドウが表示されるので、必要なサービスを選択し「OK」を選択して Enter キーを押してください。
「Add User Accounts」ウィンドウが表示されるので、デフォルトの「Yes」のまま Enter キーを押してください。
FreeBSD Installer ======================= Add Users Username: yamada Full name: Taro Yamada Uid (Leave empty for default): Login group [yamada]: Login group is yamada. Invite yamada into other groups? []: wheel Login class [default]: Shell (sh csh tcsh nologin) [sh]: Home directory [/home/yamada]: Home directory permission (Leave empty for default): Use password-based authencication? [yes]: Use an empty password? (yes/no) [no]: Use a random password? (yes/no) [no]: Enter password: Enter password again: Lock out the account after creation? [no]: Username : yamada Password : ***** Full Name : Taro Yamada Uid : 1001 Class : Groups : yamada wheel Home : /home/yamada Home Mode : SHell : /bin/sh Locked : no OK? (yes/no): yes adduser: INFO: Successfully added (yamada) to the user database. Add another user? (yes/no): no
「Final Configuration」ウィンドウが表示されるので、デフォルトの「Exit」が選択されている状態でデフォルトの「OK」のまま Enter キーを押してください。
「Manual Configuration」ウィンドウが表示されるので、デフォルトの「No」のまま Enter キーを押してください。
「Complete」ウィンドウが表示されるので、デフォルトの「Reboot」のまま Enter キーを押してください。
仮想マシンを起動する前に起動デバイスを変更していなかった場合、ここで再びインストーラーが起動してしまいます。その際には、「Welcome」ウィンドウで「Shell」を選択し、shutdown コマンドを実行します。この後、起動デバイスの「光学」のチェックを外してから、仮想マシンを起動してください。
FreeBSD が正しく起動すると、下記のログイン画面が表示されます。
login: username + Enter キー Password: password + Enter キー
を入力してログインします (password の入力中には何も表示されません)。
shutdown コマンドを実行して FreeBSD を終了します。
コンソールから root でログインし、以下のコマンドを実行します。
# shutdown -p now
すでに一般ユーザー権限でログインしている場合には、su コマンドで root になってから shutdown コマンドを実行します。
$ su Password: # shutdown -p now